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研究実績、海外留学

研究実績、海外留学

循環器救急疾患に関する臨床研究を行い、国内外に配信しています。主なテーマは、急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)の診断と治療、うっ血性心不全の診断、治療、ならびに合併症対策(腎障害)と予後の関係、急性大動脈解離の診断、治療と合併症の評価、肺血栓塞栓症の評価、心肺停止後の脳保護を目的とした低体温療法などであります。また、循環器疾患に限らず、珍しい症例については症例報告を配信しています。

現在実施中の医学研究(患者さんへの説明と同意取得のないもの)

日本医科大学千葉北総病院集中治療室では、多くの医学研究を実施していますが、その中には通常の診療で得たデータのみを使用する研究もあります。これらの研究では患者さんの個人情報を用いることはありませんし、当院の倫理審査(倫理委員会または薬物治験審査委員会)の承認を得て実施していますが、対象となる患者さん全てに研究内容の説明と同意を取得することが困難なため、下記に研究課題を記載しますので、もし研究への参加を辞退される場合はお申し出ください。なお、ご辞退されても今後の診療に不利益になることはございません。

研究課題(研究責任者)
1.急性心不全に対する長期予後の検討(白壁章宏)
2.急性心不全におけるキサンチン酸化還元酵素活性値の検討(白壁章宏)
3.高尿酸血症が集中治療室入院症例の予後に与える影響(白壁章宏)
4.心不全におけるミトコンドリアオートファジーの検討(白壁章宏)
5.急性心不全症例における葉酸レセプターβ測定の意義(白壁章宏)
6.慢性心不全急性憎悪に対するアンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
      導入が心保護及び予後に与える影響(白壁章宏)

問い合わせ窓口:
日本医科大学千葉北総病院
集中治療室 部長 白壁章宏
電話 0476-99-1111(病院代表)

対応可能時間
原則として月曜、金曜(祝祭日を除く)の10時~18時


最近の誌上発表

海外留学

小林宣明 2012年8月から2014年7月

米国、コロンビア大学

白壁章宏 2014年2月から2016年1月

米国、ニュージャージー州立医科歯科大学 細胞生物学分子医学部門/心血管研究施設

留学だより

小林宣明 留学だより

白壁章宏 留学を終えて
Rutgers University New Jersey Medical School

2014年2月から2016年1月までアメリカNew Jersey州にありますRutgers University New Jersey Medical School (旧 University of Medicine and Dentistry of New Jersey)佐渡島純一教授研究室に2年間留学させていただいておりました。教授の佐渡島純一先生は、細胞生化学の分野では世界的に権威のある方で、研究室には世界中から研究者が集まっており、とても充実した日々を過ごすことができました。
留学中は、心肥大及び心不全時に心筋細胞で実際何が起こっているのかを研究する基礎実験に没頭する日々でした。主に心筋細胞でのミトコンドリア動態、オートファジーの仕組みなどを中心に研究しました。オートファジーとは、細胞が持っている細胞内の異常なタンパク質を分解するための仕組みで、心筋細胞に虚血、圧負荷などのストレスが加わった時に細胞内で増加する異常タンパク質を除去しようとしたり、リサイクルを行おうとする自浄能力のような働きです。心不全時に心筋細胞では異常なタンパク質の自浄能力が低下しており、特に、心臓の主なエネルギー源であるATPを産生するミトコンドリアの機能が低下した際の自浄能力(ミトコンドリアオートファジー)が低下していることが解明されました。そして、この低下しているミトコンドリアオートファジーを活性化させるペプチドをマウスに投与することでマウスを心不全から回避させることができました。心不全におけるミトコンドリアオートファジーはまだまだ不明な点が多く、世界的に有名な施設でこれらの研究に携わることができたのは、非常に有意義なことでした。今後は、これらの留学での基礎研究を実際の患者様への医療に役立てられるように多方面で仕事ができればと思っています。
留学させていただいたことで、たくさんの異文化経験をすることができました。日本を離れて生活することで日本の素晴らしさを感じることもたくさんありました。留学中の時間はすべての意味でかけがえのない時間となりました。今後は、これらの経験をもとに留学前よりもさらに人間として成長した姿勢で患者様の医療に携われればと思っています。

留学を終えて 小林宣明

留学を終えて 小林宣明
Columbia University Medical Center & Cardiovascular Research Foundation

このたび、アメリカ合衆国ニューヨーク州にあるColumbia University Medical Center New York Presbyterian Hospital (NYPH) およびCardiovascular Research Foundation (CRF)での2年間の留学を終え、2014年7月に帰国しました。留学中は、冠動脈造影の解析、血管内超音波(IVUS)、光干渉断層装置(OCT)、近赤外線分光解析(NIRS)等の血管内画像診断の解析、心臓MRIの解析を勉強してまいりました。NYPHは、U.S News Best Hospital 2012-13 のCardiology & Heart surgery 部門で全米4位にランキングされるなど、全米屈指の病院です。年間3000例を超える経皮的冠動脈インターベンション(PCI)に加え、Structural Heart Diseaseに対する経皮的なカテーテル治療も多く行われており、その多くに携わり勉強してきました。CRFはTranscatheter Cardiovascular Therapeutics (TCT) conference や、American College of Cardiology i 2 summit を主宰するなど、循環器、特に血管内治療に関して全米屈指の研究施設です。留学中は、多施設研究の画像解析に携わり、またTCT主催にもかかわり、多くの経験をしました。
あっという間の2年間でしたが、留学中は画像解析が主体で、臨床に深く没頭することはできず、臨床に対する欲求が募る日々でした。帰国後は念願かない、北総病院集中治療室に配属され、臨床にどっぷりつかった毎日を送っています。留学での経験を帰国後の臨床に生かして頑張っていこうと思います。